「ワタナベ役は演じるのが難しかったはず。映画で思慮深い役柄を見ていると、つまらなくなりがちだけど、彼（松山ケンイチ）はあの難しい役を見事に演じていて、あの演技力にはとにかく感心したよ！　彼はとにかく完ぺきだった」と語った。

　「清盛」は人間関係や歴史背景の複雑さ、映像表現などから賛否両論の声があり、視聴率でも苦戦。清盛の一生を演じる難しさについて「作りたい表情を作るのに対して、わい自身の顔の表情の経験値が圧倒的に足りなかった。急いで６３歳になったわいに、清盛の表情は表現できなかった」など反省点を挙げている。

松山について天海は、「松山くんとは映画で2回ほど、舞台では初めてで、今回はガッツリお芝居をさせて頂けるのは嬉しく思います。誠実にお芝居される方だなと思っていますので、私もぜひ盗んで帰りたいです」

「現実感のない、ちょっと変わった人の役がとても上手ですよね。松山さんは、寅さんみたいな風来坊やテロリストといった異形の存在を演じることが多いですが、こういった現実感のない存在にリアリティを持たせて演じることができる稀有な俳優です。見た目が派手というわけではありませんが、演技で見せる標準語ながらどこか青森のなまりが残ったようなしゃべり方や、手足をばたつかせたりするオーバーアクションが独特なので、記号的なメイクや衣装を身にまとうと見事にハマります。だから、漫画原作のキャラクターと相性がいいのかと思います。

今回のTV-CMのポイントは、“うまみ”を体感したときの表情。
　撮影当日、箭内氏のディレクションに対して松山さんは「難しいですね～」と言いながらも、笑みを絶やさず、カメラが回ると様々な表情を披露。松山さんの演技力の高さに改めて感服する箭内氏でした。

演技力に関しては、以前から“憑依型俳優”と称されるなど、元々評価が高かった松山ですが、先月17日に公開された映画『怒り』での演技も含め、『さらに磨きがかかってる』『できない役はないのでは？』などと、業界内でも絶賛する声が相次いでいます」（芸能関係者）

ベースは変わらないんですけど、「もっと役者に期待していいんだな」ということを、彼に感じさせてもらえたんですよ。